1. 真核系人工リボスイッチの開発
Eukaryotic Artificial Riboswitches
『リボスイッチ』は、主に原核生物mRNAの非翻訳領域に存在する、分子応答性の遺伝子発現制御RNAです。特定の分子がリボスイッチに結合すると、mRNAの構造変化が起こり、遺伝子発現を抑制(あるいは促進)する仕組みで働きます。しかし、真核生物におけるリボスイッチの発見例は殆どない上に、原核生物のものも含めて、天然に存在するリボスイッチが応答する分子は限られています。
そこで当研究室では、望んだ分子に対して応答する『真核系リボスイッチ』(真核生物系で働くリボスイッチ)を”合理的”に「創る」研究を行っています。既に、数種類の真核系リボスイッチおよびその合理設計法の開発に成功していますが(一部は特許申請済み)、現在は、さらなる効率化、拡張化に向けて研究を行っています。将来的には、mRNAワクチン・遺伝子治療への応用や人工細胞への組み込みが期待されます。
また、『原核系リボスイッチ』(原核生物系で働くリボスイッチ)についても、合理設計法の開発に取り組んでいます。
(シアノバクテリアでのリボスイッチ応用など、共同研究実績もありますので、共同研究にてリボスイッチ設計をご希望の方は、お気軽にご連絡ください。)
(図:当研究室で開発した真核系リボスイッチの例)
(RNA 2011, 17, 478.)
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その他の研究プロジェクト
1. 真核系人工リボスイッチの開発
2. 真核系trans型RNAスイッチの開発
3. 新機能性タンパク質の創製
4. 微量核酸検出バイオセンサーの開発
5. 生体物質担持ナノマテリアルの創製
6. RNA安定化および機能活性化法の開発
7. 人工細胞バイオセンサーの開発
8. 人工アプタマー薬の創製
9. WGE内発現の高効率化
"Making the simple complicated is commonplace; making the complicated simple, awesomely simple, that's creativity"
- Charles Mingus