複合体構造解析部門への配属について
はじめに
当部門は、プロテオサインスセンター内に設置される研究室です。居室と実験室は、センターの1階と2階、3階にそれぞれあります。このページでは、研究室の特徴などを記しますので、研究室配属の際に参考にしてください。



学部生の配属について
工学部 工学科 化学・生命科学コースの3年生配属において選択することが可能です。配属手順や配属人数等については、化学・生命科学コースでの説明会および研究室見学などで確認してください。大学院からの進学希望者も含め、研究室の見学は随時可能ですので、寺脇までお問い合わせ下さい。
研究室の特徴と研究指導の内容



当研究室では、ヒトなどの高等生物で働くタンパク質の分子機能解析を構造生物学的手法によっておこなう事ができます。がんや精神性疾患に関係の深いタンパク質を対象として、立体構造解析や分子間相互作用解析、分子活性測定などを通して新規な分子機能を原子レベルで解明し、創薬等の人為的な制御が可能な技術に応用することを目標としています。
タンパク質・核酸を取り扱うウェットの実験系と立体構造を計算するドライの実験系を経験することができますが、どちらかというとウェットの実験系の比重が大きくなります。タンパク質・核酸を取り扱う実験はできれば避けたいと思う方には適していないかもしれません。構造解析を成功させるためには、結晶化やクライオ電顕での撮影に適した試料をどのようにしたら作れるかという点を試行錯誤する必要があります。そのため、学部4年生の卒業研究前半では主にタンパク質の発現系構築やカラムクロマトグラフィーによる精製が中心になります。DNAクローニング(遺伝子組換え実験やPCRなど)、タンパク質発現と精製に関する実験技術を修得することになります。後半では、構造解析を進めることになります。兵庫県のSPring-8を主に使用しており、毎月1回程度クライオ電子顕微鏡での測定をおこなっています。構造情報データを取得することができれば、計算プログラムを使用して3次元分子像の再構成や構造モデルの構築などをおこなうことになります。
研究室では、多くの実験技術や研究を進めるために必要な知識を学び、それを使って実践できるようになる必要があります。ラボメンバーとの勉強会や個別ミーティングを通して実験技術の習得や卒業論文作成、研究発表がおこなえるようにサポートしています。
これまで指導した学生の進路・就職先
これまで研究指導に関わった学生の就職実績などを示します。近年は製薬・医療系の企業への技術職、開発職に就く学生が多くありました。生物学の基礎的知識やタンパク質を扱える技術または知識を就職活動などで活用することは可能です。地域性も関係しますので参考としてください。技術職への就職は、ほぼ大学院修士課程の修了者です。将来どんな職種に就きたいかを考慮して進路を考えることをおすすめします。
製薬・医療系企業:小野薬品、中外製薬、科研製薬、メディカルサイエンスプランニング、ニプロファーマ、サンプラネット、メビックスなど
食品系企業:サンヨー食品、日本アルコール産業株式会社など
研究室の主な運営方針
研究テーマの決定について
- 3年生後期の期末試験前後までに教員と相談のうえで決定します。
研究の進め方
- コアタイムなどは特にありませんが、積極的に取り組むことを期待します。
- 仮配属後、研究室において実験に関する基礎的なトレーニングを開始します。
研究室ミーティング
- 毎週1回の専門分野に関する勉強会及び実験の計画、進歩状況の報告
- 毎月1回程度、研究の進歩状況を発表します。
就職活動、大学院進学ついて
- 就職活動、大学院受験については配慮しますが、卒業研究と並行して進めてもらいます。
アルバイト等について
- 研究に支障がない範囲で両立できるのであれば認めています。