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PROSセミナー&大学院特別講義を開催しました
このたび、プロテオサイエンスセンター 病態生理解析部門 主催のPROSセミナーを開催いたしました。
今回のセミナーは昼間の時間帯に、しかも直前に時間変更したにもかかわらず、大盛況に終わりました。皆様のご来場 大変感謝いたします。どうもありがとうございました。
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● 演 題
「ゲノムワイドな遺伝発現制御を理解する」
● 演 者
九州大学生体防御研究所・トランスクリプトミクス分野
大川 恭行 教授
細胞分化の過程では、ゲノム上に存在する2-3万もの遺伝子から特定遺伝子の発現が選択され、異なる形質を獲得する。この選択的な遺伝子発現はクロマチン構造制御が規定しており、その理解のためには、ヒストンバリアントの選択的取り込みを起点として、ヒストン修飾から、クロマチン高次構造に至る幅広いクロマチン変動メカニズムを全ゲノムレベルで明らかにする必要がある。私達は、骨格筋分化をモデルとし、ヒストンH3バリアントの多様性が生み出す、ヒストン修飾、局所的なクロマチン構造弛緩、クロマチン間相互作用等を体系的に明らかにすることを目指して研究を進めている。
これまでに、クロマチン変動メカニズムの上位にヒストン置換機構位置すること、更に昨年マウス、ヒト新規H3バリアント遺伝子群13種(ヒト3種)を包括的に同定し多様なヒストンがヒストン置換に関わることを明らかにした。現在、骨格筋組織に発現が認められたヒストンH3バリアントH3mm7,H3mm13の機能解析を多角的に進めている。現在までに得られている知見に加えて、これら包括的な解析を可能にしたクロマチン解析技術開発の取り組みについて議論したい。
参考文献
1. Tissue-specific expression of histone H3 variants diversified after species separation. Maehara K et al, Epigenetics Chromatin. 2015
2. Spatial re-organization of myogenic regulatory sequences temporally controls gene expression. Harada A et al, Nucleic Acids Res. 2015
3. Incorporation of histone H3.1 suppresses the lineage potential of skeletal muscle. Harada A et al, Nucleic Acids Res. 2015
4. Chd2 interacts with H3. 3 to determine myogenic cell fate. Harada A et al, EMBO J. 2012

