taihei のすべての投稿

コムギ抽出液

image1

株式会社セルフリーサイエンスから購入しているコムギ抽出液です。これを用いてタンパク質合成を行います。マラリア原虫は非常にATリッチなゲノムを持つ真核生物であり、タンパク質に糖付加を行わないなど、非常に特徴のある生物です。そのため組換えタンパク質の発現は、従来の大腸菌やバキュロウイルスなどに基づいたタンパク質発現系では非常に困難でした。コムギ胚無細胞タンパク質合成系は、1)比較的緩やかなコドン要求性、2)真核生物型のタンパク質翻訳系、3)糖付加を行わない、といった理由から、マラリア原虫由来の組換えタンパク質を合成するのに適した系であると言えます。

DTII

image2

セルフリーサイエンス社の自動タンパク質合成機です。コムギ胚無細胞タンパク質合成系は手動でも実施可能ですが、この機械をつかうことでタンパク質合成からタグアフィニティ精製までを自動で行うことができます。本部門では三台のDTIIを所有しています。

高感度共焦点レーザー顕微鏡

image3

我々の合成するタンパク質を免疫して得られた抗体は、従来法で発現した組換えタンパク質と比較して、免疫後に得られる抗体の「質」が非常に高いことが証明されています。高い反応性を持った抗体を使用した蛍光抗体法によって、細胞内局在性を解析することができます。

Envisionプレートリーダー

image5

PerkinElmerが確立したAlphaScreenを測定する、Envision プレートリーダーです。AlphaScreenは、タンパク質相互作用を高感度に検出できるハイスループットスクリーニング系です。ゲノムワイドに合成したマラリア原虫のタンパク質と、流行地から得られた患者血清との反応性を、プロファイルすることによって、マラリア原虫に対する抗体がどのような抗原を認識しているのかを明らかにしています。

下の模式図はAlphaScreenの反応を漫画で示したものです。Recombinant protein (マラリア原虫のタンパク質)と患者血清(IgG)が結合すると、ドナービーズとアクセプタービーズが近接します。その条件下で680nmの励起光を与えると、アクセプタービーズから光が出るので、それを測定します。

image6