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PROSセミナー&大学院特別講義を開催しました
プロテオサイエンスセンター無細胞生命科学部門主催のPROSセミナーを開催いたしました。
多数の皆様のご来場、心よりお礼申し上げます。 ・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・
【演題・演者】
健康長寿の実現を目指した老化研究の推進
公財先端医療振興財団先端医療センター 鍋島陽一 センター長
健康長寿の実現は有史以来、人類の最大の関心事であり続けた。近年、細胞、臓器、個体レベルの老化に関する研究は著しく進展した。本講演では、老化研究の最近の進歩を概説すると共にα-klotho研究の最近の進展、アルツハイマー病における神経細胞死に関する最近の知見について紹介する。
α-Klotho は多彩な老化類似変異表現型を示す挿入変異体の原因遺伝子として同定された。α-Klotho は細胞膜上でFGF23、FGFR1と複合体を形成し、一方、細胞内ではα-Klotho はNaK-ATPase複合体と結合し、これらの分子の機能調節を介して電解質代謝の制御因子として機能する。α-Klothoはグルクロン酸認識構造をもつと推定され、α-Klothoに結合するFGF23には新規O型糖鎖、FGF23以外の結合タンパク質のN型糖鎖から共通構造(硫酸化グルクロン酸)が見いだされ、α-Klothoの結晶構造解析、分子動力学的シミュレーションによりα-Klothoの分子動態を解析し、α-Klothoはグルクロン酸を認識する新規レクチン様分子であると結論した。
老化類似変異表現型をもたらす血中ビタミンD、リン濃度の亢進、カルパイン1の顕著な活性化、炎症性サイトカイン、ケモカインの亢進などから成る悪循環回路を見いだし、この回路の分子に作用し、変異表現型を抑える方法の開発へと展開している。
アルツハイマー病患者脳より顕著な神経細胞死活性を示すAβ重合体(ASPD)を同定し、その構造、結合相手、神経細胞死誘導機構を解明した。他の神経変性疾患(パーキンソン病、ALS)における神経細胞死誘導機構との共通点について議論する。
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