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プロテオサイエンスセンター柳原裕太特定助教、今井祐記教授らの研究グループが、骨の成長を適切に調節する新たなメカニズムを解明しました
2025.11.05
研究
病態生理解析部門
プロテオサイエンスセンター病態生理解析部門・大学院医学系研究科病態生理学講座の柳原裕太特定助教、今井祐記教授らの研究グループは、愛媛大学大学院医学系研究科 整形外科学の髙尾正樹教授、九州大学生体防御医学研究所の馬場健史教授らとの共同研究により、後天的な遺伝子発現制御を司るDNAメチル基転移酵素(Dnmt1)が成長板軟骨細胞のエネルギー代謝の調節を介して骨の伸長を適切に制御していることを解明しました。
後天的な遺伝子発現制御機構は、生活習慣によって影響を受け、細胞の状態を変化させ、身体の発育や疾患の発症等に関わってきます。しかしながら、Dnmt1が、どのように細胞の機能を制御しているのか、定かではありませんでした。
今回の研究では、成長板軟骨細胞に発現しているDnmt1が、細胞内のエネルギー代謝を適切に調節することで、長管骨の長さを規定していることを明らかにしました。本研究は、遺伝的要因だけでなく、後天的な要因(栄養の種類等)により軟骨細胞の機能を制御して骨の長さを決定することを提示しており、骨の発育不良や変形性関節症などの予防・治療方法の開発につながることが期待されます。
本研究成果は、Nature Researchが発行する「Nature Communications」の電子版に、令和7年11月4日(火)(日本時間)に公開されました。
<論文>
https://www.nature.com/articles/s41467-025-65145-9

記者説明会を行う今井祐記教授と柳原裕太特定助教

ラボ見学ツアーの様子