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プロテオサイエンスセンターの福本隼平特定研究員らのグループが、マラリア原虫の生存に必要な脂質分子群を合成する酵素の同定に成功しました【1月29日(水)】

2025.02.14
研究
マラリア研究部門

プロテオサイエンスセンターマラリア研究部門の福本隼平特定研究員は、群馬大学大学院保健学研究科、長崎大学熱帯医学研究所、国立国際医療研究センター研究所および自治医科大学との共同研究において、リン脂質合成酵素の一つであるアシル転移酵素(PfLPLAT1)の存在をマラリア原虫で初めて確認しました。

この酵素の遺伝子を破壊すると、マラリア原虫は急速に死に至るため、この酵素が原虫の生存に生命線的役割をしていることが明らかとなりました。

本研究成果により、原虫が増殖する際に大量に必要となる脂質分子をいかに調達するかという、生存戦略メカニズムの一端が明らかになっただけではなく、新しい抗マラリア薬の開発への貢献が期待されます。

この研究成果は、2025年1月29日付のCommunications Biology誌に掲載されました。

マラリア原虫の生活環とアシル転移酵素遺伝子破壊株による効果

 

≪論文≫

Pivotal roles of Plasmodium falciparum lysophospholipid acyltransferase 1 in cell cycle progression and cytostome internalization

≪参考≫ プレスリリース(令和7年2月14日付)

マラリア原虫の生存に必要な脂質分子群を合成する酵素の同定に成功 リン脂質の合成系路は原虫にとっての生命線!

NHK NEWS WEB「愛媛大など研究チーム マラリア寄生虫の増殖抑制の仕組み解明」

2025年3月7日付愛媛新聞 <br> (掲載許可番号:d202500307-02)

2025年3月7日付愛媛新聞
(掲載許可番号:d202500307-02)