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PROSセミナー&大学院特別講義を開催しました

2018.04.13
学会・セミナー
無細胞生命科学部門
18:00
愛媛大学医学部 基礎第1講義室

プロテオサイエンスセンター無細胞生命科学部門 主催 のPROSセミナーを開催しました。多くの皆さまのご来場、心よりお礼申し上げます。
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【演 題】
C型肝炎ウイルスのコア蛋白質の成熟化機構
【講演者】

大阪大学微生物病研究所 分子ウイルス分野 
准教授 岡本 徹 先生
【抄 録】

C型肝炎ウイルス(HCV)に感染すると高率に慢性化し、やがては肝細胞癌を発症することが知られています。近年開発されたDirect-Acting-Antivirals (DAAs)と呼ばれる抗ウイルス薬の開発により、多くのHCV感染者からHCVを除去することが可能となってきました。しかしながら、高額な医療費や耐性ウイルスの出現等の多くの問題が残されており、HCVの基礎生物学的研究は重要なテーマであると考えています。

HCV
のコア蛋白質は感染性ウイルス粒子を形成する「殻」としての働きがあります。また、コア蛋白質を肝臓で発現するトランスジェニックマウスは脂肪肝を経て、肝細胞癌を発症することから、コア蛋白質は粒子形成だけでなく病原性への関与も考えられています。HCVのコア蛋白質は宿主のシグナルペプチドペプチダーゼ(SPP)によって切断されて成熟します。私たちは、これまでにSPPによるコア蛋白質の切断の意義を検討し、コア蛋白質がSPPで切断されて成熟することは、HCVの粒子形成や病原性発現に重要であり、SPPにより切断されないコア蛋白質はプロテアソームによって速やかに分解されることを見出しました。
本セミナーでは、私たちがこれまでに明らかにしてきたHCVコア蛋白質の性状を紹介させて頂きます。