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プロテインアレイを用いた大規模探索でNLRP3インフラマソーム活性化の新たな調節因子を発見  ~希少難病の病態解明に期待~

2024.06.12
研究
病理学部門

愛媛大学大学院医学系研究科解析病理学講座の金子直恵技術専門職員とプロテオサイエンスセンターの竹田浩之准教授、澤崎達也教授、増本純也教授らと徳島大学先端酵素学研究所の小迫英尊教授の研究グループは、愛媛大学独自の開発技術であるコムギ胚芽無細胞タンパク質合成技術により合成された、ヒト由来の約20,000種類のタンパク質アレイを用いた大規模探索で、NLRP3インフラマソーム活性化の新たな調節因子、CANE(cryopyrin-associated nano enhancer)を発見しました。

NLRP3インフラマソームが恒常的に活性化して炎症発作が起こるクリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)は、NLRP3をコードする遺伝子CIAS1に変異が入ることにより発症することが報告されていますが、一部、変異が認められない患者も存在しており、発症機序については未だ不明な点が多い希少難病のひとつです。今回の発見によって、CAPSの病態解明だけでなく、NLRP3が関与することが報告されている動脈硬化症、糖尿病、アルツハイマー病などの生活習慣病に対する創薬への応用が期待されます。

詳細は、愛媛大学プレスリリースにて、ご確認ください。

【発表論文】
雑誌名:Journal of Immunology
論文タイトル:CANE, a Component of the NLRP3 Inflammasome, Promotes Inflammasome Activation
著 者:Naoe Kaneko, Mie Kurata, Toshihiro Yamamoto, Akimasa Sakamoto, Yasutsugu Takada, Hidetaka Kosako, Hiroyuki Takeda, Tatsuya Sawasaki, Junya Masumoto