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PROSセミナーを開催しました(6/29)

2023.07.10
学会・セミナー
無細胞生命科学部門

無細胞生命科学部門主催のPROSセミナーを開催しました。

本セミナーでは「植物におけるゲノム編集技術開発の現状と展望」のタイトルで、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物機能利用研究部門 の 横井 彩子 氏にご講演いただき、学内外から35人が参加しました。

ご講演では、現在利用されているゲノム編集技術について、基本的な4種の方法について解説していただき、それらのメリットとデメリットについてもわかりやすくご説明いただきました。次に、解説していただいた、横井先生のグループが開発した、ポジティブ・ネガティブ選抜を利用したジーンターゲッティングと痕跡を残さないマーカー除去法を組み合わせた精緻な標的遺伝子改変技術は、効率的に標的遺伝子を狙い通りに書き換えることが可能な技術であり、今後の植物科学分野の発展への貢献が期待される革新的な技術でした。また、ゲノム編集により解析した遺伝子の機能情報が作物育種の加速化に役立っているなど、ゲノム編集技術のさまざまな利用例についても紹介していただきました。質疑応答では、実験を進める際の詳しいノウハウなどについて質問が寄せられましたが、豊富な経験に裏打ちされた実例を交えてお答えいただきました。開発者に直接質問できるこの機会は大変貴重なものでした。

参加者はゲノム編集技術がここまで発達していることはもちろん、得られた変異のセレクション方法についてもさまざまな工夫をされていることに、たいへん感銘を受けていました。このセミナーをきっかけに、プロテオサイエンスセンターが持つ独自技術との組み合わせも視野に入れた新しい研究が始まることを期待しています。

今回は、セミナーの内容から農学部の賀屋准教授にご協力いただいて、農学部を会場にしました。PROSセミナーではこれからも引き続き様々なテーマでセミナーを行っていく予定ですので、皆様のご参加をお待ちしています。