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最先端研究紹介「マラリアの急所を撃て」(高島英造 准教授)

2023.01.26
研究
マラリア研究部門

愛媛大学プロテオサイエンスセンター マラリア研究部門 高島英造准教授の研究について、愛媛大学公式ホームページ「最先端研究紹介 infinity」に掲載されました。同記事を一部抜粋し下記のとおり、ご紹介させていただきます。

<研究の概要>

マラリアは日本で流行していないので、皆さんが感染したことはないでしょう。地球温暖化が進めば日本でマラリアが流行するようになるのでしょうか。熱帯病というイメージのあるマラリアですが、戦前の日本では北海道でも屯田兵が感染していたことが知られています。現代日本でマラリアが流行しないのは、アジアのハマダラカが生息する地域が山裾の渓流などに限られているからです。同じ理由でタイでもバンコクといった都市部ではマラリアの流行はほぼありません。そのため地球温暖化の影響でマラリアが日本で流行するようになるとは考えにくいのです。

では何故、マラリアのリスクが非常に低い日本で、しかも愛媛大学でマラリアの研究をしているのでしょうか。それは愛媛大学で確立された「コムギ無細胞タンパク質合成系」がマラリア研究と非常に相性がよいからです。マラリア原虫のタンパク質はとても特殊で、大腸菌やヒトの細胞を用いても組換えタンパク質を発現できません。しかしコムギ無細胞系ではほとんどの例でマラリア組換えタンパク質を合成することが可能です。そこで私はこれを最大限利用して「4,000種類のマラリア原虫タンパク質アレイ」「600種類の抗マラリア原虫ウサギ・マウス抗体ライブラリー」といった世界一の規模を誇るバイオリソースを構築しました。これをうまく使うことで、私達でしか解き明かせない「マラリアの急所」をつぎつぎと明らかにしています。

<この研究を志望する方へのメッセージ>

我々のマラリア研究は日本だけでなく世界的に注目されています。我々にしか開くことの出来ない窓から見える景色を一緒に堪能しませんか?人類の天敵でありつづけたマラリアに一矢報いる時が近づいています。共にマラリアの急所を撃とうではありませんか。

詳細は以下の愛媛大学公式ホームページを、ご興味のある方は部門のホームページもご覧ください。

愛媛大学公式ホームページ「マラリアの急所を撃て」

愛媛大学プロテオサイエンスセンター マラリア研究部門