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ヒトタンパク質間相互作用をゲノムワイドに探索できる新しい技術を開発

−約20,000種類のヒトタンパク質から目的タンパク質が作用するタンパク質を明らかに−

2022.07.19
研究
無細胞生命科学部門

このたび、株式会社セルフリーサイエンス 杉山修世 研究員、森下了 研究開発部長および愛媛大学プロテオサイエンスセンター 山田航大 大学院生、澤崎達也 教授らの研究グループは、タンパク質間の相互作用解析を簡便かつ鋭敏に検出できる技術として、約20,000種類のヒトタンパク質から目的タンパク質と相互作用するタンパク質を同定する新しい技術の開発に成功しました。

本技術は、セルフリーサイエンス社が開発したタンパク質アレイ技術と愛媛大学が開発した新しい酵素を使用し、CF-PPiDと名付けられました。遺伝子発現に関わるIκBαタンパク質の相互作用解析を行ったところ、既知以外に相互作用する複数のヒトタンパク質を新たに発見し、それらは細胞内で生物学的相互作用を示すことが初めて確認されました。

網羅的な生体分子間相互作用(インタラクトーム)の解析は、近年課題となっている創薬ターゲット枯渇を解決する有用な情報の一つです。特定のタンパク質に対して相互作用するタンパク質を探索する技術の重要性は年々高まっており、本技術のCF-PPiDは約20,000種類のヒトタンパク質を使用して相互作用タンパク質を探索できるため、創薬開発、特に分子標的薬開発の研究に有用であると期待されます。

詳細は、愛媛大学プレスリリースにて、ご確認ください。

【発表論文】
雑誌名: Scientific Reports
論文タイトル:CF-PPiD technology based on cell-free protein array and proximity biotinylation enzyme for in vitro direct interactome analysis
著 者: Shusei Sugiyama, Kohdai Yamada, Miwako Denda, Satoshi Yamanaka, Satoshi Ozawa, Ryo Morishita & Tatsuya Sawasaki