生物が生命活動を維持するためには、細胞の中で様々なタンパク質が正しく作られ、それらが正しく働く必要があります。愛媛大学のウィンターサイエンスキャンプでは、「遺伝子の情報が利用されタンパク質を正しく作る」その流れを実習と講義で学びます。
実習では2008年のノーベル化学賞で話題になったクラゲの緑色蛍光タンパク質を、生きた大腸菌と無細胞タンパク質合成技術を使って作ります。無細胞タンパク質合成技術とは小麦胚芽の抽出液を用いた無細胞タンパク質合成システムで、愛媛大学で開発された最先端バイオテクノロジーのひとつです。「試験管の中で生命活動に不可欠なタンパク質をつくる」実験を通じて、細胞の中で起こる生命現象が物理や化学の法則に従った試験管の中でも再現可能な反応であることを体感しましょう。
また、遺伝情報として用いたDNAの分析や、作られたタンパク質の分析を通して、遺伝子の情報によってタンパク質が作られるという生命の共通原理を理解しましょう。