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研究 病理学部門

2020年08月17日(月)

コムギ胚芽無細胞再構成系で稀少難病の治療薬候補を開発

〜炎症疾患や生活習慣病の治療薬への応用が期待される〜

 愛媛大学大学院医学系研究科の金子直恵 技術員とプロテオサイエンスセンターの竹田浩之 准教授、澤崎達也教授、増本純也 教授らを中心とする研究グループは、愛媛大学独自開発の技術であるコムギ胚芽無細胞タンパク質合成技術で試験管内に再構成した無細胞インフラマソーム再構成系を用いて、インフラマソームが恒常的に活性化して炎症発作が起こる稀少難病であるクリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)の治療薬候補化合物KN3014を発見することに成功しました。
 現在、インフラマソームの活性化によって炎症を誘導する、インターロイキン-1β(IL-1β)という物質を抑える抗体などのタンパク質が治療薬として使われています。ところが、このような抗体は高価で細胞内に入ることが難しい性質があります。そこで、細胞内に入ってインフラマソーム形成を直接阻害する廉価な低分子化合物の開発が世界中で進められています。今回の研究で、インフラマソームを構成する分子であるNLRP3とASCという分子の間の結合を直接阻害する初めての低分子化合物であるKN3014が発見されたことにより、稀少難病であるマックルウェルズ症候群(MWS)の治療薬開発につながる道が開かれました。
 今回の研究によって、稀少難病であるCAPSの治療薬候補化合物の骨格が明らかになっただけではなく、今後インフラマソームが関与する様々な炎症疾患や生活習慣病の治療薬候補開発のための基本骨格となることが期待されます。
 本研究成果は、英国科学誌「Scientific Reports」に掲載され、オンライン版で公開されました(令和2年8月11日(日本時間))。

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  • <small>通常のNLRP3インフラマソーム活性化と<br>クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)での<br> NLRP3インフラマソーム活性化の模式図</small>

    通常のNLRP3インフラマソーム活性化と
    クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)での
    NLRP3インフラマソーム活性化の模式図