世界初!試験管内ポリソーム像

世界で初めて試験管内でのポリソームの電子顕微鏡像の撮影に成功!

真核生物の細胞内では、1つのmRNAに数個から数十個のリボソーム(タンパク質合成するための生物学的マシーン)がついて、タンパク質を合成している電子顕微鏡像が得られていました。私達は、自分たちで作ってきたタンパク質合成系で同じ様な像を観ることができないか調べてみたところ、簡単に電子顕微鏡像を得ることが出来ました。これは、従来より安定で高効率なタンパク質合成系だからできたのです。また、面白いことに私達が新しくデザインしたmRNAでも、真核型のmRNAと同じようにポリソームを形成することがわかり、電子顕微鏡レベルで私達が新しくデザインしたmRNAの機能が同等であることがわかりました。

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世界初!自動タンパク質合成装置

世界で初めて自動でタンパク質を合成する装置の開発に成功!

愛媛大学発のベンチャー会社、セルフリーサイエンス社が設立され、本格的に私達がこれまでに開発してきた技術を広めることになりました。そこで、セルフリーサイエンス社と共同で、これまでの技術を集積することにより、自動でタンパク質を合成する装置の開発に世界で初めて成功しました。
 この装置は一度に384種類のタンパク質を自動で合成できるため、この装置を1台あれば、約2ヶ月でヒトがもつ全ての遺伝子をタンパク質にすることができます。ちょっとした自慢です。

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新しいタンパク質合成方法

機能解析に適した新しいタンパク質合成法の開発に成功!

ポストゲノム時代には、遺伝子の配列をもとに、タンパク質を合成し、その機能を知る技術が求められています。私達は、タンパク質の機能解析に適した新しいタンパク質合成法の開発に成功しました。この方法により、簡便にタンパク質の酵素反応を調べることができるようになりました。

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新しいDNA鋳型構築法

PCR法を用いた新しいDNA鋳型構築法の開発に成功!

新しくデザインされたmRNAの鋳型を簡単に構築できるように、プロモーター部分を2つのプライマーで分断した“Split-PCR法”の開発に成功しました。この方法により、従来のDNA組み換え法を用いることなく、誰でも簡便に、タンパク質合成のための多種類の鋳型作りができるようになりました。
 ちょっとしたアイデアでしたが、現在では、数千種類の遺伝子がこの方法で簡単にタンパク質合成のための鋳型に構築されています。

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発現ベクターの構築

コムギ無細胞系専用ベクターの開発

新しくデザインされたmRNAを元に、タンパク質生産に適したコムギ無細胞タンパク質合成専用ベクターの開発を行いました。
 現在では、コムギ無細胞系でのタンパク質合成には世界中でこのベクターが利用されています。

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新しい真核型mRNAのデザイン

新しい真核型mRNAのデザインに成功!

真核生物のmRNAにはキャップ構造やポリAテールが付加されており、これらは大量のタンパク質生産には不向きでした。そこで、遠藤研では、キャップ構造の代わりに新しくデザインした翻訳エンハンサー配列、ポリAテールの代わりには長い配列を付加することにより、従来より安定で高効率なmRNAをデザインすることに成功しました。

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コムギ抽出液

安定なコムギ抽出液の単離に成功!

従来の無細胞タンパク質合成法は、翻訳酵素源としての抽出液中に含まれる自己翻訳不活性化・阻害因子の混在による翻訳反応の不安定性のために収量が非常に低く、タンパク質生産方法としては利用できませんでした。遠藤研では、従来法の不安定性の原因を解明することから、その解決方法の開発に取り組み、コムギ種子胚芽を材料に選び、胚乳からの翻訳阻害因子群を排除することによって、従来の300倍を越えるタンパク質合成量を誇る安定な翻訳酵素源を調製することに成功しました。

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